いま何かと話題の星野リゾートに泊まってきました。そこに至る経緯を書いた前記事でしたが、友達の
某デザイナーさんからその中の写真を使ったなんちゃって画像を頂きましたので、お蔵入りするのももったいなくてここに貼り付け。
wwwwwありがとUTANw
リゾート感満載だねw
さて、界加賀に泊まったのは平日限定のお一人さまプラン。今回、たまには日常の喧騒から離れてゆっくりしたいと思い、一人でも参加できる宿泊パックを探していたのですが、旅行会社の作るプランには「
え?お一人ですか?ええ、追加料金を頂ければ構いませんよ」という無言の疎外感のようなものを感じており、ちょっと違うんだよなあ…と思っていました。今回界に絞って宿から探したところ、プランも宿におけるアクティビティも、求めていたものにぴったり。そしてあらかじめこういうプランを用意していただけているのは、お店側もお一人さまウェルカムの受け皿ができているように感じて好感がもてました。
そもそも界というブランドは
「35歳以上の」「旅慣れたお客様に」「温泉旅館の粋を提供する」ことをコンセプトとしているようなので、その点からも全く不安はありませんでしたけどね。(詳細は
こちら)

界加賀へは、東京からなら羽田空港から小松空港へ、小松空港からはバスで小松駅に出て北陸本線から加賀温泉、そこから車で10分のアクセスです。飛行機に乗ってしまいさえすれば2時間ほどでつきます。
名古屋・大阪からなら陸路で乗り換えなし、あるいは1回乗り換えで2時間ほどで行けてしまう距離なので近いですよね。
今回は早めの飛行機で到着、金沢観光をしてから訪ねました。

ロビーでは冷たいおしぼりと加賀棒茶でゆったりとチェックイン。明かりを落としたロビーとその先に見える内庭に、この時点でもう異次元に引き込まれるような気分です。

友禅浴衣で着付けをしてもらい滞在中を過ごせるサービスがあったのでそちらも利用。別料金で3000円かかりますが、麻で出来た風通しの良い浴衣で過ごすことで、リゾート感がさらにアップ。浴衣は暑いという印象しかなかったのですが、素材によっては涼しくて心地よいものだということを初めて知りました。

早速着て出かけます。

界加賀の目の前には総湯、古総湯という温泉街の共同浴場があります。


はづちを楽堂は、お土産の購入などができる憩いのスポット。
少し出歩いたら、あっという間に夕食の時間。加賀の食材を取り入れた豪華懐石料理は宿泊費にコミコミ。


先付から始まり甘味で終わる全11品。極楽です。食事処は半個室。他のグループに気兼ねなく頂けます。この世にこんなにゆったりと気も遣わず過ごせる場所があるのかと、もう羽なんか伸ばしまくり。


なお、盛りつけられている器も高級な九谷焼であり、こちらもじっくりと観察すべきです。館内のショップでは同じものが1万円以上のお値段で販売されていますから…。
約2時間かけてゆっくり頂いたあとは、腹ごなしに散歩に出かけます。夜がせいぜい19時か20時位まででほとんどのお店が閉まってしまうのは残念なのですが、朝は7時、8時から営業しているお店もぽつぽつあるので、朝型で行動するのが吉です。


夜の山代温泉、ライトアップの照明も素晴らしく、写真映えがします。

帰ってきたら、火照った身体にかき氷を頂けるサービスもあります。江戸時代には幕府に氷を献上していたこともあるエピソードにちなんで、上品な器に盛られて来ました。みぞれに小果子を添えたような作りです。味もさっぱりとしていて過不足なくちょうど良い。

21時、宿のスタッフによる獅子舞の演舞があります。時間は10分ほど。宿から出ずして加賀の文化に触れられるひと時。
終わったらそのままロビーでゆったりと読書の時間。やはり地元の文化である和菓子についての本、また、界加賀の前身である白銀屋は380年の歴史を持ち、北大路魯山人とのゆかりも深い宿であったようで、この関連の書物が豊富で全く飽きません。なお、建物内には魯山人ゆかりのものと白銀屋の歴史をまとめたギャラリーがありますので、こちらも必見。

ほんの少しのアルコールをお供に。バーカウンターで頂けるドリンクの種類は少ないですが、郷土色豊かなものを厳選しているよう。この「
おんぼらぁと 柚子」は米焼酎をベースに柚子をプラスしたリキュールで、飲み方が選べたのでソーダ割りにしてもらいました。このおんぼらぁとについて調べたら
福光屋という酒蔵のものじゃないか?と行き当たり、ネットショップで早速購入。あの味が家でも楽しめるかな…?とワクワクしていますが、なんと
東京ミッドタウンに直営店があることが判明orz

なんだか眠るのが惜しいのですが、書籍を数冊持ち帰り、部屋に戻って床に薄いベッドマットレスのようなFUTONに横たわっていれば、いつしか朝に。この壁の赤い色も地方独特の紅殻色(べんがらいろ)。もともとは酸化鉄(要するにサビですな)を主体とする鉱物由来の赤色で、防腐効果なども狙っていたのだとのこと。

朝も懐石弁当風、プラス湯豆腐、炊き合わせ、立派な鯵干物が熱々で提供されます。朝から気分が良い!

朝食の後は、「朝生」と言って朝作られてその日のうちに頂いた方が良いお菓子がロビーで自由に頂けます。調子に乗って3個も食べちゃったわよ。この日は近所の「しもつね」の大福でした。

チェックアウトは12時と余裕がありましたので、ふらりと外出してしもつねさんをチェック。
そうそう、界は温泉旅館ですので、お風呂も楽しみましたよ。大小2つあって夜の22時で男女入れ替え。ほとんど無臭のお湯ですが、気ままにのんびりしていたせい?肌がツルツルになった気がします。星野リゾートオリジナルのアメニティも良かったのかもしれません。
また、今回は残念ながら利用しませんでしたが、スパ(マッサージ)もありました。アジア各地への旅行では、旅行=マッサージということも最近は多かったので、サービスがあること自体はとても良いし、時間がゆるせば利用したかったです。連泊しないと時間的になかなかキツイかなぁ…。値段は確かフルコースで12000円位、メニューのほとんどがフェイシャル、足など部分的なものですが、いずれもアンダー1万円とリーズナブルです。ちなみに宿泊費は1泊2食付きで3万円以上と、決して安くはないです。でも、そもそもその価格に疑問を感じるようならば、泊まらない方が良いと思います。
と、こんな感じで癒されまくったショートステイでした。なお、星野リゾートでは顧客のデータベースを作成しており、顧客がなにをいつ利用したかなどの情報を蓄積しているようです。どのような嗜好を持っているのかを推測することで、次回以降の宿泊での満足度を上げよう、ということらしいですよ。ですので、星野リゾートに泊まった真価というのは、宿泊を重ねて行くごとに発揮されて行く、価値のあるものになって行くのだと思います。と、そんなことを聞いたら今後も行くしかないじゃないですか(笑
若い頃から、お金はなかったけど海外志向で、長期休暇となるといそいそと海外に出かけていました。また、家族に外資ホテルフリークがいるので、その特典を利用して「特別な」サービスを受け、居心地良く過ごして来た時間もそれなりにあったと思います。その居心地の良さが何だったのかと考えると、ただ泊まるだけではなく個人である「私」を大切にしてもらっている、初めて訪れたけど初めてではなく知っているところに帰ってきたような感覚、そういうものを求めているのだと思います。
星野リゾートにはこうしたものが用意されている…なんて小難しいことを考えたわけじゃなくて、なーんだ日本も悪くないじゃん。って素直に思えたのが今後の旅行に向けて一番の収穫だったのかもしれません。