
X-T1試用開始後のファーストショット。
今回幸運なことに、Xシリーズの最新かつ現状スペック最高機種であるX-T1をお借りして試用する機会を頂くことができました。

Xシリーズとは以前お借りしたX-E2、X-M1とマウントを同一とする機種。総称してXマウントと呼ばれています。レンズ交換式一眼、いわゆるミラーレス機では後発の富士フイルム。2010年に初めてミラーレス機を手にした私は、正直最初にX-E2をお借りするまではあまり興味がありませんでした。それがどうでしょう、今一番購入したいカメラは?と聞かれたら、このX-T1かソニーのα7Rと答えるまでに魅力的なカメラになっています。
X-T1の細かい仕様はメーカーの製品情報にお任せして、私が考えるその理由をここで一度整理したいと思います。
1.豊富なレンズラインナップ
Xレンズ群のレンズロードマップを見ると、純正の単焦点レンズの多くがF2を切る明るさ、しかも1.8ではなくF1.4、F1.2という最大開放を持つものを3本も含むレンズ群となっています。撮りたいと思う被写体が屋内に多い私としては、これは心強い限り。一番活用度が高そうなものは35mmF1.4で、実売価格が5万円切るくらいというのも安価とまでは言いませんが、その機能に比して十分納得できる価格だと思います。
なお、α7Rをほぼポチる寸前まで思いつめていた(!)こともあるのですが、ZEISSの55mmF1.8の最短撮影可能距離が50cmと知った時、その心は急に萎えてしまいました。この時ほど、カメラの魅力はレンズの魅力にも大きく左右されるんだと感じたことはありませんでした(笑 もし、マウントアダプターをつけることでα7を活かせるレンズ資産が既にあったとしたら、それはそれでまた違う話になったことでしょう。
2.申し分のない発色

元々フィルムメーカーとして操業を始めて今年で80年。老舗の「色へのこだわり」は今でも健在であることはX-E2の仕様説明でも確認済み。今所有しているカメラで一番不満な点は色補正が甘いことである(赤みが強く出て色飽和もしやすい)ため、この点がますます際立ってきます。だってね〜信用できないからrawで撮っておいて、後でいちいち現像するって、めんどくさがりのワタシにとってはいつも作例を意識しているわけではないから不便なんですよ、ホントに。スナップ写真のつもりで撮ったものをJPEG撮って出しをそのまま保管することに越したことはなく、X-E2とちょっと試用したT1ともに、記憶色との相違が少ないのでお気に入りです。
3.取り回しの良さ
X-E2で唯一、現在保有しているE-PL5あるいは欲しいと思っているα7と比べて機能的に使いにくいと感じた点がチルト式液晶でないことでしたが、X-T1ではその点も解決されています。さらに、EVFの場所が移動され、今流行りの?ホットシュー部分が三角頭となったデザインを引っさげて登場。デザインはともかくとして、チルトの便利さを知ってしまうとなかなかないものには戻り難いと感じます。
でも、その分重くなったろうって?
それは否定できないことですが、そもそもこのXシリーズ上位機種を手にしようかどうか迷っている方には、そこはあまり重要な要素ではないと思いますので、今回は大きさには言及しません。もし、重さや大きさが気になる方にはX-M1や他のメーカーのコンパクト型がオススメです。
その他、画像処理プロセッサ、センサーはX-T1とE2で変化がないのですが、
○連写性能がわずかに上がっている
○手動によるビューファインダーのみの切り替えが可能に
○拡張感度がISO51200を上限とする
○防塵・防滴・耐低温-10℃

ファインダー横の「VIEW MODE」ダイヤル
などの点でも使い勝手が向上しています。
なんだか全方位向かうところ敵なしのような印象です。強いていえば本体カラーが黒一色のみでシルバーモデルがないのが惜しいことですが、フィルムカメラ時代からの「先輩」ユーザーにとっては、シルバー版は廉価版で黒一色のものを手にすることが憧れであった時代もあったようです…というのを以前Nikon Dfの体験会の時に耳にして、初めて知りました。
これから1ヶ月間、X-T1と一緒にお借りしたフジノンレンズ XF56mF1.2R使用感と撮影例を挙げて行きたいと思います。