2014年02月14日

真冬に選ぶ、竺仙の浴衣

昨年の夏から「素敵な」浴衣が欲しかったんです。きっかけは、星野リゾート界加賀に宿泊した際にレンタルした浴衣が、それまでの私の常識を覆すような、軽くて涼しくて素敵なものであったこと(ここ(星野リゾートという極上体験@界 加賀)で書いています)。

それからというものの、ネットで検索しては、やっぱり「良い」浴衣は値が張るのねえ〜とため息をつきながらシーズンも終盤を迎え、結局買わずに2013年の夏が終わってしまったのでした。

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そこに、初売りで目にしたこのチラシ。

バイヤーなりきり企画、だそうで。浴衣・帯のセットとはいえ5万円というのは量販店の大量生産品を考えると安くはない価格。ただ、ネットを見ていると、

柄も生地も素敵でいかにも上質そうなものは値が張る

ということがわかりました。
着物が3万、帯が2万と思えば、バイヤーになりきらず購入ということだけ考えても十分アリです。

ただ、ここでもう一つの問題は、

この企画に参加できるかどうかは運次第

だということ。
伊勢丹の「夢袋」という数量限定、人数限定の企画。当たるかどうかわからないけど、どのみち買いたかったものだし、ただ浴衣を買う以上の価値があるんだし応募してみるか、と投函したら、、(当たらないだろうと思ってた)


なんと当選してしまいました。も、も、もちろん行きますわよー。

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日付と所は変わり、都内某所。
こちらがなりきりバイヤー会場でございます。

メーカーは「竺仙(ちくせん)」さんという江戸染の老舗浴衣メーカーであるとのこと。考えてみれば当然のことなんだけど、浴衣にもメーカーがあるということ、洋服とは違ってあまり意識してなかったなあ…。伝統と品質の良さには定評があり、竺仙のものを、と指定で購入されるファンも多いのだそう。一体どんな柄を作るメーカーなんだろうかと行く前にホームページから予習すると、全体に落ち着いた印象。これが粋というものなのか。私に似合うのはあるかなあ。いや、そろそろ年齢を考えてしっとりと落ち着いたものをキリッと着こなすべきか。


そんなことを考えながら臨んだこの企画。そもそもこの会場というのは竺仙の新作発表会であり、それこそバイヤーなどの関係者しか招かれないもののようです。それだけでも、やっぱり思い切って応募して良かったなあと思ったのでした。

選ぶに当たり、生地の種類や着こなし方なども教えていただきましたよ。

まず、コーマ
一般的な市販品の浴衣の大部分ががこれに該当するのでしょうか。竺仙のものは厳密には違うのかもしれませんが、生地を見た感じや手触りは似ています。両面染め、綿100%で地がしっかりとしており、柄がくっきりと際立ちそうな生地である一方、目がみっちりしていて風通しはあまり期待できなさそうな印象です。


続いて綿絽
薄手の生地でとても上品。繊細な色や柄が多いようです。ただし、地染めで濃い色でないものは、下着も長襦袢を着た方が下着が透けたりせずきれいに着こなせるようで、浴衣に涼を求めに来た身としてはちょっと複雑な心境。でも最初から最後までこれが一番の本命でした。夏祭りや花火大会などの催し物に限らず、おしゃれな街着としても着られるということで、その点も気に入りました。


ここからは高級浴衣の生地で、私には当分(一生?)縁がなさそうなもの(で、これらを選択するとプラス料金)ですが、せっかく聞いたので備忘録として記載。



生地をみると節(すじ状のでこぼこ)が立っているのが特徴。糸自体が凸凹していることに因るようです。紬というと本来は生糸に向かない絹糸を使用して織ったもののようですが、綿100%の綿紬もあります。着る時期としては6月から9月が適当で、自宅で洗うことができます。クリーニングに出さなくていいのはいいなぁ。

松煙染め
松の根を燻したススをニカワと混ぜ、豆汁で溶いたもので染めるそうで、落ち着いた地色が特徴のようです。一年を通して着られるもので、浴衣というよりほとんど着物ですかね。こちらも家庭での水洗いが可能だそうです。

紅梅小紋
縦横に節が立っており、格子状の織柄がついています。勾配、が転じて紅梅になったとか。

奥州小紋
生地というか柄なのでしょうか?綿絽、奥州小紋と併記しているものもあり、よくわかりません。ただ、一般的な綿絽より地色が落ち着いているものが多いと思います。こちらも自分で洗えるとか。

絹紅梅
格子状に綿糸が入る他は絹で出来ているという、素材自体がいかにも高級そうなものです。

もとより、夏のおしゃれ着としてたまぁに着るための浴衣を買いにきたものですから、そんなに高級なものに手を出すつもりはございません。従って、コーマか綿絽の2択。そして、濃い地染めよりも華やかで明るいものが着てみたい。それだけでかなり絞られます。

そんな中で選択の後押しをしたのが、「綿絽であれば花火大会などに限らず、お洒落な街着として着て出かけることができる」というアドバイス。


帯については琉球かすりで柄が華やかなものも用意されていて魅力的だったのですが(参考画像)、選んだ綿絽の浴衣の柄が大ぶりでシックだったことと、アドバイザーとしていらっしゃった秋月洋子さんのオススメでシックに着こなしたく、今回の帯は普通の落ち着いたものにすることに。

で、今回選んだ組み合わせがこちら。

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帯にグラデが入っているのですが、目線を上げるために、濃い方を上にするのが良いとのこと。なるほど。

実際に採寸から仕立てをするのは6月ごろになりそうですが、今年の夏は、自前の浴衣を粋に着こなせるようになりたいと思います。

posted by kncafe at 06:38 | 東京 ☁ | Comment(2) | TrackBack(0) | その他趣味 気になるモノコト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする | 編集
この記事へのコメント
んじゃ、今年の夏は浴衣オフ会しようぜよ。
Posted by あおば at 2014年02月16日 23:35
>あおばさん
しようしよう。
実際でき上がるのは7月おわりくらいかなー。
楽しみラー!
Posted by kncafe at 2014年04月17日 12:01
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