「あら?あなたカメラやるの?珍しいわねェ〜うちのおじいちゃんもね…」
かつてのおじいさんの趣味だった「カメラ」。今はもうやっていないけど、当時はイタリアが好きで旅行に行ったり、かなりのお金を遣っていたんだそう。きっと、機材にもお金をかけていて、交換レンズもたくさんあったんでしょうね。
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私のメインカメラのX–T1を引っさげて、この日向かったのはちょうど当日に製品発表された「Canon EOS M5」。メーカー渾身のハイエンドミラーレスというカテゴリーを考えると、ちょうどT1とEOS M5はぴったりと競合する位置づけに来る製品同士です。
EOS M5を見てまず思ったのは、

「小さい!」
ま、まあ対照のT1は小型軽量を第一に目指したものではありませんから、そういう驚き方をするのはちょっとフェアじゃないかもしれませんけど、でも、相対的に小さいものを見るとやっぱり、


「ちっさ!」
反射的にそう思ってしまいますね。

ちなみに、つい先日発売されたEOS 5D MarkWと比べるとこんな感じ。親子のようですね。
(Kumadigital-CCさん私物)
外観は…

マットで上質そうな質感のブラック。

ダイヤルの数は多いけど文字の記載があまりないのでスッキリした印象。


チルト液晶は上方向に85°、下方向に180°
さて、今回のM5は2015年に発売されたEOS M3、M10と同じミラーレス機ですが、その中では最上位機種となります。それら前機種や手持ちの他社ミラーレス機と比べて、注目すべきポイントをいくつか挙げます。
1.早さ、正確さを追求したAF
M5に搭載のDual Pixel CMOS AFシステムは同社の一眼レフカメラには数年前から搭載されてきている技術です。既存機種であるM3、M10のハイブリッドAFは「位相差」と「コントラスト」の2つを組み合わせることによってコントラストAFのみだったミラーレス機は精度が高く、早いAFを追求することができるようになりました。
ただ、今までのものはどちらかというとコントラストAFがメインでそこに位相差センサーがぽちぽち混ざっていたものになっていたと思います。

(EOS 70D オートフォーカスより引用)

(80D EOS 高速AFより引用)
Dual Pixelというのがその名前の通り一つ一つの画素が2つペアのダイオードで構成されていて、そのわずかな信号の差を検出して位相差センサーの役割を果たす、ということのようです。今回は撮像面の縦横それぞれ80%(ということは全面積の64%?)で位相差AFを主体とするものなのだそうで、ミラーレス機では一つ頭が抜けたAFの正確さが期待できます。
それでなくてもAFの早さには定評のあるCanonさんが、一眼レフミドルクラス機である80Dとスペック上は同じセンサーで、しかも画像処理エンジンは一世代新しいものをM5のコンパクトボディに詰め込んだということを考えると、それだけでどんな写真が撮れるんだろう?とワクワクしてきます。
2.EVF(シリーズ初搭載)
EVFはミラーレス機上位機種にはほぼ必須ですね。フォルムも真ん中がお山のスタンダードな形。Canonさんならではのこだわりとしては、ファインダーと撮像面がずれないようセンサー位置を中心とした「光軸レイアウト」。さらに、ファインダーだけでなく三脚穴の位置もこのレイアウト上に配置されています。
3.70以上の豊富なレンズ群
これはもう、素直にうらやましい。一眼レフ用のレンズがマウントアダプターをつければもちろん「純正品」ですからAFだって動作しますし、機会があれば高級ラインのいわゆる「白レンズ」も使うことができる。お家にお父さん、おじいさんのレンズは眠っていませんか?身内にCanonの一眼レフユーザーはいませんか?家族でマウントが同じでレンズを共有できる環境にあるなら、購入を迷う必要はまったくないですよね。小さく軽くなって80D相当のセンサーですよ奥さん?(重量はもう80Dの半分ほど)
または…冒頭のおじいさんのようにかつてユーザーだったけど、もう最近は重い機材を持って移動するのが億劫で、という方(実は私の伯父もそのタイプ)にプレゼントするというのもいいのかもしれません。
4.高速連写性能
これは機械の性能そのものというよりいろいろな技術の総集ということになるのかもしれませんが、このM5は最高9枚/秒の高速連続撮影が可能です。これはものすごく早いです。機関銃のようです。(注:ミラーレス機ユーザーの視点です)

Canon EOS M5 EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM
(F6.4 86mm 1/125 ISO6400)
*Canon EOS M5、レンズ共に試作機によるものです
*実際の画像から80%に縮小されています
*Flickrでご確認がオススメです
乗物・子供・動物などの動体を撮るときにベストショットが撮れる確率が上がります。そうした被写体のほとんどが撮り直しのきかないものですから、確率は少しでも高い方がありがたいですね。あとで地団駄踏んでもそのシーンは戻ってきませんから。
そういえばこのM5は「流し撮り」アシスト機能がついている上、背面液晶をタッチしてなぞることで被写体のピントを直感的に操作できるので、より対象を捉える可能性が高くなっています。
総合的に見ると、仕様は一眼レフミドルクラス相当以上のものが詰まっているのに、撮り手をサポートする機能がとても充実しているように思います。必要以上にサポーティブないわゆる「かんたん撮影モード」は必要ありませんが、そこまで操作も機構にも詳しいわけではないですし、技術は一世代ごとに進化していますから、さりげな〜くアシストしてもらえるのはありがたいことです。

Canon EOS M5 EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM
(F6.3 28mm 1/60 ISO320)
*Canon EOS M5試作機によるものです
*実際の画像から80%に縮小されています
*Flickrでご確認がオススメです
なにはともあれ「こんな良いものが撮れた!」っていう自信がその後のカメラ人生を大きく左右すると思うんですよね。
さて、ここでは小出しにしてきたEOS M5の画像ですが、1時間ほどのタッチアンドトライタイムがありましたので、テストショットを大放出したいと思います。
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