ここでは試遊を終えたあとに出たユーザーからの質問に、主に原田さんが答える形で行われたQ&Aについて少し書いてみたいと思います。
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【格闘ゲームのこれからのビジョン・将来について】

まず格ゲーの特徴としては、
○勝者よりも敗者が多い
○上手さは知識、経験、手さばきによるため、ストレスが多く苦手に感じる人が多い
○一緒に遊んでいた友達が上手くなるとやる気が失われる
ということが挙げられます。
はぁ…確かに。格ゲーってと昔弟にストUでガイルのハメ技を前に全く歯が立たなかった黒い過去が真っ先に思い出されます。ここ10年くらい格ゲーから遠ざかっていましたが、たぶんこれが一番の原因。

この思いを胸に意識していることは、
○壁になりやすい手さばき(指先のテクニックや反射神経など)に依存しすぎないよう設計されている。
○ヌルゲーにするのではなく、オンへの出やすさやマッチングレベルの最適化で解決したい
ということです。
鉄拳は格ゲーというジャンルの中では初心者が上級者に勝てるゲームだと認識されているようですが、確かにテクニカルなものより手数(勢い)でカタがついてしまうことも多い気がします。事故でもまぐれでも、勝つことがなければ面白くないですからね。
なお、格ゲーの盛り上がりは国の経済力や情勢などで違います。日本は運動会で横並びゴールやモンスターペアレンツの出現などは確実にマイナスの方向に働いていると思います。しかし、逆に経済情勢・政治情勢の決して良くない地域で販売実績が伸び続けているという状況もあり、世界総体として見れば「波打った状態(どこかで上がればどこかで下がっている)」を繰り返しているのだと思います。
【モードも多く盛りだくさんのゲームになっていますが、開発の苦労話などはありましたか?】

いくつかあります。
○鉄拳は開発から17年目のゲームであるため、既存の枠組みを壊さないようにすることが難しかったです。また、修正をするにも多国籍の人がプレイすると、捉え方が全然違います。例えば欧州は良いところを伸ばそうと思う傾向にあるし、アジアはここがダメだから改善しろ、という要望が多いので、そこを調整するのが難しかったです。
○ボリュームが多いのがいいという事は一目瞭然だが、悪くいえば複雑になるのでそれを使いこなすためのチュートリアルを入れろ!という声が必ず上がり、さらに複雑になる。その折り合いをつけることにも苦労しました。
○最大4キャラが動くため、入力データ量が普通のゲームに比べて3から6倍あります。また、プレイモードは増えるのにも関わらず、オンライン環境は快適にしなければいけないという矛盾を解決するのが大変でした。
【鉄拳6発売後の世界選手権の時に次回選手権のことをおっしゃっていましたが、いつになりそうですか?】
2010年3月に東京国際フォーラムで行われた前回の世界大会。日本でやりたいという思いはありますが、次回は海外に日本の選手をお連れする形になりそうです。開催時期については、発売してすぐということではなく、盛り上がり方などを見て適切な時期に開催することを検討しています。
鉄拳6のアーケード版が出たのが2007年、パッケージソフト版が出たのが2009年の秋でしたが、世界選手権が行われたのが2010年の春でした。アーケード版を含めればローンチしてからの期間は長いと思いますが、パッケージ版からプレイを始める人にとって半年で世界大会に望めるのか?って考えると短いようにも感じます。(ゲームタイトルのライフサイクルを考えた時、半年は長いと思うんだけど)
一方で、タッグ2は2011年の秋からアーケードにローンチしていますがまだ1年。次回大会がいつどこで開催されてどんなプレイが観られるのか気になるところです。
ああ、出ようと思ってるわけじゃないですよ〜決してw 頂上対決の対戦動画が観たい。
【オンラインのレスポンスについて、ソウルキャリバーの技術は継承されているの?】
オンラインについては、2012年2月に発売されたPS3/Xbox360用タイトル「ソウルキャリバーX」の時に「最高のものにした」と説明された経緯がありました。同じバンナムさん発のものですから関わり合いがあるのかどうか気になりますよね。
これについては、ゲームの質が違うのでゲーム作成上直接何かを取り入れるということはなく、お互いのノウハウや概念を交換してそれぞれのゲームに活かしています。
【普通の人が遊んでいてどれくらいトロフィーが取れるものでしょうか?】
数個ちょっと時間がかかるものがあるが、すごくうまくならなきゃ取れないという作りにはしていません。
聞いてビックリしたのですが、一部の層…特に北米では「トロフィーが取りやすいかどうか」がゲームを購入するポイントになる層がいるのだそうです。そんなこと考えたこともなかったわ…。
原田さんも冗談めかして(半ば本気?)そういう層のために、買ったらトロフィーが取れる仕様にすればいいじゃん、という話もありましたが、作っている人達が真面目だからそういうことにはならなかったと…いや、さすがにそれはないでしょうw
【ファンの皆さんに一言】

決定版なので絶対ソンをさせません。買って遊んでください!(米盛さん)
やらないかもしれない、という人は買っておいたほうがいいと思います。タッグ2は息の長いゲームになるはずです。寿命を削って作りました。(原田さん)
…なお、この質問は開発者は皆答えるのに困る質問なのだそう(笑 一言で言えない苦労や思いがあるんでしょうね。

おみやげに頂いたアーケード遊戯用ICカードが、一足先にタッグ2の世界へ来てみろと俺を呼んでいる…。
私にとっては珍しく、格ゲーでオンラインに出てみたい!と思わせるゲームでした。